飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

まぶたの裏で上映

スマホの画面で電子書籍アプリを開いて、コミックスを10巻分読んでから寝た。目を閉じると、残像がチカチカする。 正体の分からないパラパラアニメが流れているようなものだ。 電書でコミックスを読むといつもそうなる。紙面は同じまま、描かれた絵だけが変…

なぜ読んでいるのか分からない本

朝からニュースを見るのは気が滅入る。 だから目が覚めるまでスマホを眺めたいときは、電子書籍のアプリを立ち上げるようになった。気になる本があったら、電子書籍のお気に入り欄にとりあえず入れておき、時々まとめて購入している。 それが何年分か溜まっ…

公園と寓意

老人たちがいつもゲートボールをしていた公園が廃止されてしまった。老人たちはどこに行くのか。 近くには、子供たちが遊ぶ小さな公園だけがある。 限られた場所を、誰がどう使うのか。それからというもの。 老人たちは早朝に小さな公園に集まり、まず草刈り…

ミンチが助けてくれるよ

ひき肉100gに対して、酒大さじ1、塩ひとつまみ。フライパンに油を熱して、先にひき肉だけを、水分がなくなるまでよく炒める。 酒と塩を加えて、また水分がなくなるまで炒めて、できあがり。こうしてできた塩そぼろを、ご飯にかけてもいい。 うどんにのせても…

安全と安心のために

地域の防犯情報がメールで届くように設定している。 神社の前に不審者が現れ、高齢者は朝に散歩へ出たきり行方をくらました。やる気になれば、国じゅう、世界じゅうの情報を見ることができる。 幾千幾万の不審者がいた位置を特定して、地図上にピンを立てる…

ケーキ屋さん

将来なりたいものを尋ねられたとき、答えに困ったらとりあえず口にするための便宜的な職業が「ケーキ屋さん」だと、小さな頃は思っていた。 なぜなら、自分はケーキ屋さんになりたいと思ったことが全くなかったからだ。そして自分が考えないことは他の人間も…

思ふこと言はで止まむ

自分なんてダメだ! とのたうち回っている知人に、ダメじゃない! と本当なら言いたい。 しかし言わない。もがき苦しんでいる最中の人には、どう声を掛けても届かないだろうから。伊勢物語にこんな歌がある。 思ふこといはでぞただに止みぬべき我とひとしき…

こたつボトルネック

物置として使っていた部屋を片付けることになったが、困ったのがこたつの扱いだった。 もう壊れているので粗大ごみに出したい。しかし、家の構造の問題で、重たいこたつを回収場所まで持ち出すことが難しい。不可能というほどではないが、人手も労力もかかる…

罪その後

罪を犯した夢をまれに見る。 犯罪の瞬間そのものは焦点にならず、その後に自分がどう生きるかが描かれる夢だ。 どう生きるかと言っても、大抵の場合、死に向かうのだが。犯した罪と生きていく。そんなのは嫌だ。 大体そんな意味の言葉が、アニメのメロディー…

空白のブック

何かを忘れている。 パソコンをシャットダウンしてから、表計算ソフトで行うはずだった作業を思い出した。 これから取り組む。取り組み終わった。 今、ブログを付箋として使ったのだ。 このブログを書くことも、ここ数日忘れていた。

かわいいね

顔を見知っている程度の幼い子供から、突然「かわいいね」と言われた。 おそらく、彼女自身が日々周りからかけられている言葉なのだろう。Twitterでフォローしている人が、例えば何かの試験に合格したとツイートをしていたら、「いいね」を付けることがある…

歯を労る

寝ている間の食いしばりが気になるので、マウスピースを作ってもらった。歯科の定期健診で、以前から指摘されていることだった。 無意識に噛み締めているせいで、歯は削れ、舌にも傷が付いているという。 作ろうと思いますと相談してから、歯科医の先生が口…

ダストシュート

積んでいた古雑誌や本を資源回収に出した。 持ち出しには、同人活動で使っていたカートが役に立った。2往復した。以前は、雑誌類は梱包用のラップで巻いていた。 今は、紐でないといけないそうだ。 いつもうまく結べず、崩れて困ったこともあるので、なおの…

自分の名前

Twitterが凍結されてはいないかと見に来たら、自分のペンネームが見慣れなくて驚いた。こんな名前だったか。使わない名前は忘れる。 創作をする人だと、頭の中で遊ばせている自作のキャラクターがいることもあるだろう。 私にも実はいるのだが、あるときふと…

努力、未来、

2022年12月29日の昼12時をまもなく迎える。少し珍しい名字の友人が、確か12月29日生まれだった。元気にしているだろうか。元気にしていてほしい。何も思いつかないときは、ただ事実を記すと良いようだ。「事実とはどういうことだろうか」――例えばそういうこ…

1年先の引き出し

今年買って良かった物は、自転車に取り付ける後ろカゴです。牛乳やスポーツドリンクを買っても帰り道が安心。 ----本年も皆様にはたいへんお世話になりました。 2022年もどうぞよろしくお願いいたします。 ----中学生の頃だったろうか。ともかく、自分が最も…

電子書籍(EPUBファイル)の公開をはじめました

小説の同人誌を電子書籍化しました。無料です。 創作文芸サークル「ナタリーの家」のWebサイトで、電子書籍(EPUBファイル)の公開を本日よりはじめました。 無料でダウンロードして、スマホやタブレット、パソコンなどでお読みいただけます。 まずは、アー…

2020/12/26(土)~2021/3/21(日)同人誌の通販型イベントにサークル参加します 【稲取-27】ナタリーの家 ※4/1追記

新刊『こぼしてもこぼしても』発行中止のお知らせ(2021/4/1) 平素は格別のお引き立てをいただき誠にありがとうございます。 テキレボEX2の新刊として予告しておりました小説集『こぼしてもこぼしても』につきまして、発行中止のお知らせとお詫びをさせてい…

「こぼしてもこぼしても」全文公開(未完)

『こぼしてもこぼしても』は、文芸同人誌通販型イベント「テキレボEX2」の新刊小説本となる予定でしたが、完成させることができず、欠品とさせていただくことにいたしました。また、今後改めて発行する予定もございません。詳しくは、恐れ入りますが、別記事…

ざるは便利

米を研ぐのにざるを使わないのかと言われて、使ってみたら米粒がこぼれないので、とても便利だった。ざるとボウルを重ねて、切ったじゃがいもを水にさらしておいたら、ざるを持ち上げるだけで水が切れて、とても便利だった。100円ショップで小さいざるとボウ…

無を売る

まだ完成していない本を売ろうとしている。 完成していません、完成していません、と連呼することで、うそつきの肩書きから逃れようとさえしている。 自分が正直者であるというアピールなんて、ゲーム上の人狼だってやることだ。本を出すことでしか最終的に…

ここからではもうどうにもできない

私がある建物の高層階にいたときのことである。外から甲高い叫び声が聞こえる。 窓から見ると、幼児が1人、下り坂を走り下りている。その後ろから、もっと小さな子供の手を引いた大人が1人、「止まって、止まって」と大声を出しながら追いかけてくる。 幼児…

数を撃つ、否定しない、いったん全てを受け入れる。

それから秘密を守ること。頭の中は自由だ。 そこから何をいつどのような形で表に出すかは、責任を持たないといけないところだから、慎重になる。複数人で進めるプロジェクトでは、考えが「頭」から「会議」を挟んで「表」に出る。 会議では「いったん自由な…

頭が大きければ格好も付くが

「頭」とか、「心」とか、何なら「気持ち」と呼んでいるものも、畢竟体の一部だなと思う。原稿をしている期間でも運動はできる。 でも、食べ物を制限するのは無理だ。 (私個人の話である)やわらかくてしおからいものをよく食べるので顔ばかり大きくなって…

特技を生かせるとてもよくできた仕組み

確定申告が終わっていない。 申告期限が延びたことだけ確認して、ほとんど手も付けず、そのまま先送り先送りにしている。お金の計算は、お金の計算の得意な人がやる。 交渉事は、交渉事の得意な人がやる。 もの造りは、もの造りの得意な人がやる。 人を動か…

人々の善良さを信じる

世間のほとんど全ての人は善良で、多くの人はそれぞれに頑張っており、特別に優れた人というのも大抵1つの集団に1人以上存在する。 ――というのは、単に自分の感覚の話だ。実際、社会人になってから驚いたのだ。 大人は、想像していたより、ずっとまともでし…

It's just a hypothetical situation.

「どんなことをしても生きていてほしかった」といっても、どうせ条件が付くんでしょう? と疑ってかかってしまう。 「人様に迷惑をかけないのなら」とか。ね、言うんでしょう?「いや、人に迷惑をかけてでも、生きていてほしかった」といったって、「度を越…

飛行機と同じくらい怖くない

飛行機は落ちそうだから乗りたくない、ということはない。 万一をイメージしたとき、全く怖くないわけではないが、その怖さはどこかの建物内にいるときと変わらない。骨組みが崩れたら。 床に穴が空いたら。 体がはまる。 下降する。そう、人の手で作ったも…

現在の自分の状態がベストなのでは?

気持ちが沈んだときに、しかしよく考えるのは、昔のどの時点にも戻りたくないということだ。 あの頃は良かったと感じる時期は特にない。 あのときああしておけば良かったという悔いも、小さなことは山ほどあるが、大筋ではない。 もしやり直せるとして、他の…

すごい人ほどすごい人じゃなくても

すごい人にインタビューする側もすごい人であるべきだろうか。 残念だが「それなりに、あるべき」だと考えてしまう。すごい人は、しゃべることで次々とパスを出している。 それを受け止めればファインプレーになる。 しかし、ボールに気付かないのか、トラッ…