飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

太宰トリビュートに至る話

太宰治トリビュート冊子を作ります。
できた本は、2012年5月に東京で開催される、
文学フリマというイベントで頒布します。

元々、私と友人の二人で、ある作家について対談をしては、
読み物にまとめるという企画をやっていました。
(過去には芥川龍之介宮沢賢治をテーマとしています)
じゃあ次は誰にしようか、という話になったとき、
友人は太宰治を推しました。
「私、太宰が好きなんだよね」と。
私が前からぼんやりと抱えていた、
疑問にも似た思いが、そのとき顔を出しました。

人は太宰を語るとき、
なぜだか妙に真剣な表情になったり、
その言葉に熱がこもっていたりすることが
多いような気がする。
太宰狂と呼べるくらい、好きだ、好きだという人もあれば、
憎々しく、仇敵のようにその名前を挙げる人もいる。

私達は太宰と出会い、
あるいは心惹かれ、あるいは心乱され、
あるいは無関心に通り過ぎてきた。

私自身の太宰に対する関心は、
率直に言って、ごく普通です。
有名どころの作品は普通に読み、
もし感想を求められることがあれば、
「まあ普通に好きだけど」と答えるような、
一般的な読者に過ぎません。
どちらかと言えば、
太宰やその作品に触れた人達が
何を感じ、どんなことを考えたのか、
そちらの方に興味を抱きました。

太宰好きだという友人とは、
予定通り、いろいろ話してみましょう。
それとは別に、もっと様々な方のお話も
伺うことができたらおもしろい、と思いました。

そこで、短いエッセイを寄せていただきたいのです。
テーマは「太宰治」ですが、
実は、本当に語っていただきたいのは、
太宰にことよせた、御自身のお話です。
限られた字数の範囲になってしまいますが、
ご興味をお持ちの方は、寄稿いただければ幸いです。

 

 ※この記事は過去のダイアリーに一部変更を加えて転載したものです。