飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

Text-Revolutions第2回に出展します 【C-34】ナタリー

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【イベント概要】
Text-Revolutions 第2回
日時: 2015年10月10日(土) 11:00-16:00  (開催まで残り2日です)
会場: 都立産業貿易センター台東館
入場料: 無料

【サークル概要】
サークル名: ナタリー
カテゴリ: 純文学
代表者名: わたりさえこ (ときどき合同誌も作りますが、基本的には個人サークルです)
ブースNo: C-34

【当日企画への参加について】
●無料配布スタンプラリー(ラリー台紙配布はD-14
 ……フリーペーパー「セロジネ」をブースに置きます。ご自由にお持ちください。ラリー参加者の方にはスタンプを押します。
●300字SSポストカードラリー(ラリー台紙配布はC-01
 ……無料ポストカード「読まれることを」をブースに置きます。ご自由にお持ちください。くじを引かれる方は、ポストカードを集めてC-01ブースへ。
●鳥散歩(マップ配布はB-01
 ……当日頒布物のうち、鳥にまつわる作品をピックアップした見本誌をブースに置きます。また、マップをお持ちになった方には、鳥小説カードを差し上げます。

【当日頒布物について】
>>ナタリー(C-34)のWebカタログ(イベント公式)
>>ナタリーのテキレボ2特設サイト
本の詳細については、上記のリンク先に詳しいのでご覧ください。
なお、今回は新刊がありません。いつも見てくださる方には物足りなくてすみません。新しい作品は、上記の無料頒布物と、テキレボ公式アンソロに収録した小説「ご冗談でしょう、ラインズマンさん」です。

割とぶっちゃけた感じの内容紹介は続きから。

●投げたボールは戻ってくる
 小説再録集。137編収録。とは言え100編以上は140字程度のTwitter小説。それでも文庫本300ページ越えで内容充実。
 この本が一番の自信作です、とおすすめしたい。ただ900円とお高めなので推しにくい……というのが本音。お値段を気にされない方には、これ1冊選んでおけば間違いありません、という紹介の仕方をさせてください。

●吾が子踊る
 小説と詩の作品集。印刷会社さんに装丁おまかせプランで刷ってもらった本。ベルベットPPが作品の質感にも合っていて、ぜひ手に取って見てもらいたい1冊(2冊組だけど)。
 作り方の話になるが、ページは文字ではなく絵として組んでいる(今回の「セロジネ」も同じ作り方をしている)。わたりの本では恒例の巻頭言引用も、今回は特にお気に入り。
 このように本文以外の面で何かとイレギュラーな作品。作品はやや内向き、後ろ向き。立ち読みの際は、詩歌編の方をぱらぱら見てもらって、もし気に入っていただけたなら小説編の方も肌に合うのでは……と期待を込めて。

●劇団パピヨンの軌跡と顛末
 エンタメ系、痛快娯楽活劇、というような宣伝の仕方をしたけども、誤解を生む文句だったかもしれない。はちゃめちゃで楽しい、という感じではない。他の本でないがしろにしがちな「キャラクター」というものを重視した小説とでも言うか。
 意識していないのに常々作品に入ってくるテーマというものが誰しもあって、で、わたりの場合は「家」がその1つだろうと思うわけで、この話は特にその要素が強い。兄弟、夫婦、親子。あと、恋人や友人も。
 テキレボ公式アンソロに「ご冗談でしょう、ラインズマンさん」という小説を載せてもらったが、これを気に入った人には『劇団パピヨンの軌跡と顛末』もおもしろがってもらえそうだ。特に後編にあたる『‐顛末』の方が。

●安全シールをはがしましたか?
 『投げたボールは戻ってくる』はお値段高めでおすすめしにくい……ということで、代わりと言っては何だけど、『安全シールをはがしましたか?』なら500円。この2冊がわたりのスタンダードな短編集で、まず読んでほしいという意味ではおすすめ。
 「クライ、サイレンス」という小説は2011年の震災のときの話で、今でもしばしば思い出しては、これはこういう書き方でよかったかと考える。意図的な嘘がいくつかあって、特にラスト。小説としてのまとまりを優先してここで終わらせたけれど、本当はこの後こそ大変だった。震災文学と呼ばれるものは、今もこれからも生まれていくだろうけれど、私のことを書けるのは私しかいないんだよな、という思いで書いた話。つらかった、という話ではない。むしろ、私はたまたま地震に遭わなかった、という話。

●ただ、いっさいは過ぎてゆく
 太宰本。「太宰治」と聞いて引っ掛かりを覚えた人に読んでほしい。合同誌。対談とエッセイ。
 太宰について何か言いたい人は多いと思う。一家言あるという意味ではない。何だか、太宰の名を聞くと、それに対する自分の立場を表明しなければ、という思いになるのだ。本を読む人は、特にそうではないだろうか。
 100円の小さな本だが、おもしろいと思う。なお、残部僅かであり、今回のテキレボで最終販売とする予定だ。お求め忘れのないように。

●ラッキーバッグ(本の詰め合わせセット)
 通常販売を終了した同人誌4冊に、ランダムで過去に無料配布したペーパー類を詰め合わせたセット。封筒入りで100円。自分で言うことではないが破格だと思う。
 意図が2つある。1つは価格帯。わたり個人の小説本は、現在900円か500円のものばかりである。初めての方におためしで、と呼びかけるには高いと思われる気がした。100円の商品を用意したい、という思いで本を袋に詰めてみた。つまり価格ありきのセットである。
 もう1つ。露骨な言い方をすれば在庫放出と言うか、ガレッジセールをするような思いがある。ただ、このセットには比較的新しい本も複数含まれている。『劇団パピヨンの軌跡と顛末』や『安全シールをはがしましたか?』より後に出たものだ。
 それらの本は、何回かイベントに出て徐々に売るつもりで刷っていた。ところが、都合が合わずイベントに出る機会がほとんどなくなってしまった。そうなると今度は、気持ちとしては新しい本を出したい。別に前の本を長く売ったって一向に構わないはずなのだが、前がつっかえているという状況が気に食わない。そこで、厚めの本は通販に託し(架空ストアさんにお願いしています)比較的薄い本は一気に出してしまい、空きを作ろうと思ったのだ。何も物置を圧迫するほどの在庫を抱えているわけではない。空きを作りたいのは気持ちの方である。

 こんな感じである。何だかもっとあけすけな話をしたいという思いはある。ここに書き足すかもしれない。別に書き足さなかったとしても、わたりはこれらの本を抱えて、今度の土曜日、浅草で椅子に座っている。

----2015.10.9追記----

●セロジネ(フリーペーパー・無料配布スタンプラリー参加作品)
 クラフト紙。A5サイズ4ページと言うか、A4二つ折りと言うか。テキストの祭典にふさわしく、文字ばっかり。
 読切小説がメインで、俳句が少しと、ぼそぼそエッセイ。昨冬に書いた文章が多い。小説は、幻覚を写し取るイメージで書いたもの。おぼつかない文体。
 たくさん刷ってしまったので、どんどんもらってほしい。

●読まれることを(無料ポストカード・300SSポストカードラリー参加作品)
 タイトルはWebカタログ登録上の便宜的なもの。読まれることを意識する、ことについての違和感と抵抗。たいへん不親切なつくりだけど、隙はある。ここだけのヒントとして言えば、300字の文章が2編載っている。
 これもたくさん刷ってしまった。ご自由にどうぞ。

●鳥小説カード(鳥散歩マップをお持ちの方への特典)
 円いカード。『投げたボールは戻ってくる』に掲載した「白鷺」という140字小説をデザインしたもの。鳥散歩マップ(B-01で配布)をお持ちの方に差し上げます。
 サークルカッターを買ったので使ってみたかったのが制作の動機の一つ。
 上記2種に比べると用意は少なめ。品切れの際はご容赦。