飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

新刊ができあがったので本のサイズの話をします

新刊小説集『インドアゲームズ』が完成しました

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▲鈍器(クラスの本)が目立つテキレボ界隈では薄めの冊子でしょう。46ページ。

印刷所にお願いしていた新刊が届きました。ざっとページ番号など確認したところでは問題ないようです。予定通り、テキレボに持ち込めそうです。

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▲目次。何回確認しても間違えていそうでドキドキする。

表紙は画用紙に近いという紙を選びました。表はPP加工してありますが、めくると裏がごわごわしています。ラフな感じがいいです。

ところで急にサイズにこだわる

さて、Webカタログではこの本は「新書判」と表記しています。これまではA6判(文庫判)かA5判で本を作ってきました。特に最近はほぼ全て文庫判です。「新書判はちょっと整理しづらいなぁ。縦長すぎるよね。それに、個人的には本文は2段組じゃない方が読みやすいし」と一貫して考えていました。

ところが、春のある日のこと、突然「あれっ、文庫本ってちっちゃいぞ?」と思ったのです。「1ページにちょっとしか文章が入らないじゃん」と、今さら、しかも自分で書く小説は短いくせに、感じるようになったのです。

 一旦気にし始めると落ち着きません。こうなったら、いつもと違うサイズで本を作ってやろう。しかしどのくらいがいいのか。A6判を小さく感じるようになりましたが、A5判は大きすぎて威圧感があります(と、ノイローゼ気味に思っていたのです)。B6判のサイズ感は好きですが、自分で文字を配置するとどうもしっくりくるバランスになりません。

本棚の本を引っ繰り返して、一番ピンと来たのは、ノベルス判の2段組でした。

確認すると、ノベルス判はほぼ新書判と同サイズです。いずれにせよ各辺の長さは一つに決まったものではなく、持っている本を比べてもレーベルごとにはっきりと差がありました。印刷所さんの仕様を見ると、自分で細かくサイズ指定ができるようだったので、こうなったら自分が一番納得のいくサイズで作ることにします。

人並ノベルス判の誕生

横幅はすぐに決めました。105mmです。これは文庫判と同じです。本棚に文庫と新書を並べると、幅の広い新書の方が少し手前に飛び出すのが常々気になっていたのです。

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▲というわけで、文庫本と幅を揃えました。

しかしこれでは、ただでさえ「縦長すぎるよね」などと言っていたのに、なお長くなりかねません。ページを開くのもやりづらくなってしまいます。

縦の長さをいろいろ試してみました。B判に揃えて182mmではどうか(これは縦に長すぎました)、あるいはA判に揃えて148mmではどうか(これはただの文庫判でした)。持っているノベルスや新書も定規で測りながら見比べます。

その結果の173mmです。173mm×105mm。「人並ノベルス判」と勝手に名付けました。

f:id:sweet_darling:20161004215218p:plain▲ほら、並べても手前に飛び出さない。(見えますか?)

できあがりは手になじんで嬉しいサイズ感でした。他の人からしたらたぶん意識しないかささいなことで、むしろ「他の新書やノベルスとサイズが合わないではないか」と言われる恐れもあり、だとしたらそれはごもっともと頷くしかないです。

普段本の見た目にはほとんどこだわらないくせに、気の迷いで面倒な非定型サイズの本作りに取り組むことになりましたが、ともかく、今の時点では自分としては満足です。

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▲文庫と重ねるとちょうどタイトルが見えます。えっ、昧ちゃん、計算してた?

 

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