飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

インドアゲームズの表紙は本当にかっこいいんだ

表紙イラストを描いてもらいました

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▲まずは見てください。もうね、もう、もう。

来週のテキレボ4で頒布する新刊小説集『インドアゲームズ』の表紙です。

友人の昧ちゃんにお願いして描いてもらいました。過去には『投げたボールは戻ってくる』『安全シールをはがしましたか?』、『一羽の鳥が飛行機から飛び降りる』(頒布終了)に描いていただいています。4冊目! ありがとうございます、ありがとうございます。

そういうわけでこの表紙イラストを愛で続けるブログ記事です。

いつもの無茶振り

表紙をお願いする時点で、こちらの全ての原稿が完成していたことは一度もありません。堂々と言うことではありませんけども。

『一羽の鳥が飛行機から飛び降りる』と『安全シールをはがしましたか?』のときは、タイトルだけを伝えて(と言うかそれしか決まっていなくて)、ほぼその条件のみで描いてもらいました。そして描いてもらった絵を見てから、表題作を書きました。

『投げたボールは戻ってくる』は再録集だったので、大体の原稿は揃っていて、表題作が手つかずという状態でした。揃っている分の原稿データを送り、表題作のキーになるもの(新幹線など)だけを伝えて、描いてもらいました。この原稿データはPDFで200ページ以上あったはずですが、昧ちゃんは全部読んでくれたそうです。

この文章を書きながらも冷や汗がすごいんですが、とりあえず続けます。

今回の『インドアゲームズ』では、表題作の登場人物プロフィールと、冒頭部のあらすじと、最初の1ページの原稿データを送りました。少しでも出せる情報を出そうと考えてそうしたのですが、どれも断片的で、却って難しくしてしまったのではないかと後になって反省しました。

それでも昧ちゃんは、素敵なイラストを描いてくれました。へんてこりんなイメージで恐縮ですが、イラストを目にしたとき、泥の池から光る玉を持って現れる女神様の姿が私の脳裏に浮かびました。

ところが! しかも! のみならず!

結果的に、あらかじめ伝えていた登場人物プロフィールも、あらすじも、最初の1ページも、全部変わったんです。変えたんです、私が。既にイラスト描いてもらってるのに。入稿ギリギリで。ばか! おたんこなす!

さすがにまるっきり別物というわけではないのですが、「話が違うよ」と言われたら、返す言葉もありません。だって話が違うんですもん。

ですから、もしもイラストと本文でイメージが違うと感じることがあったら、それは本文の責任です。これは過去のどの本でもそうです。この不義理な依頼人に凝りずにイラストを提供してくれる昧ちゃんには、頭が上がりません。

あと、イラストを頼んだ後に和田誠『装丁物語』を読んで、やっぱり冷や汗だらだらになりました。いい本でした。

この題字がすごい

今回特にお願いしたのは、「『インドアゲームズ』という題字を手書きしてほしい」ということでした。細かい指定はしなかったので、どんな風になるかなと楽しみにしていました。

そうしたらこれですよ。すごい……すごくないですか? 詰め寄り方が馴れ馴れしくもなるってものです。まさかこうなるなんて思いもしませんでした。

字にも、その配置にも、媚びがないと感じます。私は大抵、媚びと言うか、無難な方に簡単に転んでしまうのですが、そういう気持ちだと、この題字の置き方はできないと思います。

注文を汲んでくれているのに、私の漠然とした予想とは全く異なる表紙になりました。女の子の表情も、立ち姿も、Tシャツも、模様も、最高です。

というお手紙を書こうとしたけれど

こういうことは、ブログに載せるというよりは、個人的なお手紙として御礼と共に渡すのがいいだろうと思うのですが、長い! 重い! ねちっこい! の三重苦があんまりにもあんまりだったので、公開して希釈することにしました。

昧ちゃんありがとう。このイラストを表紙にすることが、本を作る上での大きなモチベーションになりました。これを描いてもらっていなかったら、本も出なければイベント参加もキャンセルしていたかもしれません。それだけ、めげたときの励みにさせてもらいました。本当にありがとう。

私の本の表紙じゃなくて、昧ちゃんが何か作品を世に出すようなことがあったら、買えるものなら買わせてね。そういうことがあればいいなと、個人的には思っているのですが。

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