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対話型AIとの対話(番外2) 「対話型AIとの対話」を公開していて大丈夫?


はじめに

生成AIをめぐる議論が活発になる中、私自身も一つ整理しておきたいことがあった。
今まで私がブログで公開してきた「対話型AIとの対話」という記事群について、改めて考えたい。

生成AIにまつわる論点は多岐に渡るが、本記事では「生成AIの出力した文章を利用した本ブログ内の記事に法的な問題はあるか」という点に限って検討を行いたい。
現時点での私自身の考えをまとめたものであり、今後変わっていく可能性がある。
できる限り正確であることを心がけたが、誤りや見解の違いを含む可能性がある点も、あらかじめ断っておきたい。

生成AIの出力を「そのまま」掲載することについて

「対話型AIとの対話」は、自分自身の思考の整理と記録を目的に続けてきたシリーズだ。
問いを立て、やり取りを重ねる相手として生成AI(対話型AIは生成AIの一形態。本記事中では基本的に「生成AI」で統一する)を据えた。
その際、生成AIの出力する文章そのものに面白みを感じ、やり取り自体を読み物としてブログに掲載したいと考えた。
そのため、編集や要約は最低限とし、対話ログを原則としてそのまま掲載する形を選んだ。
以後、本記事内で「そのまま」と書く場合は、「意味内容を改変したり要約したりせず、対話の流れと文章表現を原則として維持する」ことを意味する。

生成AIの利用規約上、出力を「そのまま」掲載することに問題はないか?

このシリーズの掲載時に利用していた生成AIはChatGPTである。
ChatGPTを提供するOpenAIの利用規約を確認したところ、ChatGPTによって生成された文章(出力)を利用する権利は、ユーザーである私にあると解釈して良さそうだった*1
そのため、出力された内容をコピーしてブログに掲載すること自体は問題ないと判断した。

また、禁止事項として「人が作り出したものではない場合に、アウトプットを人が作り出したものと表示すること」とある。
これについても、ChatGPTが出力した箇所は明らかに分かるよう掲載しており、人が書いたと偽った部分はない。問題は回避できたと考えている。

よって、専ら注意するべきは、生成された文章の中に他者の著作権を侵害する内容が含まれていないかという点になる。

著作権を侵害する出力が含まれていた場合の責任の所在は?

利用していたAIの利用規約上、「生成AIが出力した文章を公開すること」自体は認められていた。
しかし、一般に、もし著作権侵害に該当する内容がウェブ上に公開された場合、その公開行為を行った者が責任を問われる可能性が高い、と理解されている*2

現状、生成AIが他者の著作物と同一または高度に類似した文章を出力することを、完全に防ぐ方法は存在しない。
また、生成AIの出力が著作権を侵害していないことを、完全に確認するのも困難だ。
つまり、生成AIの出力をそのまま利用する以上、著作権侵害のリスクは残るということになる。
最も安全なのは、生成AIの出力をそのまま使わないことであるのは間違いない。ただ、それは「対話型AIとの対話」シリーズの形を根本から変えることを意味する。

これまでの記事をどうするか

生成AIの出力を自分なりに書き直したり要約したりすれば、リスクは下げられる。しかし、できるならば対話ログの形式はそのままにしたい。
そこで、生成AIの出力の中に著作権侵害の可能性が高い箇所がないか合理的確認を行い、記事を公開し続けることに問題がないかチェックすることにした。

なお、これまでも記事を作成・公開する際には、他者の文章がそのまま混じっていないかといった明らかな問題点については検索等によって確認してきた。
ただ、その確認は筆者自身の感覚に頼る部分が大きく、「どのように確認したのか」「なぜ問題がある可能性が低いと判断したのか」を第三者に説明しづらい状態だった。

今回は、確認対象とする箇所の基準と、確認方法の手順をあらかじめ定め、それに沿って作業を行うことにした。

「対話型AIとの対話」における合理的確認の方法は?

「合理的確認」は、法律的な用語ではなく、一般的な注意義務の考え方を踏まえて筆者なりに整理した方法である。
具体的には、他の人の文章が直接混じっていないか、生成AIの出力の中から特徴的な表現を抜き出して検索するという方法をとった。
あくまで、本ブログ内の「対話型AIとの対話」シリーズについて、他者の著作権を侵害する可能性が高くないかを確認するための方法であり、著作権侵害の可能性がゼロであることを証明できるものではない。
現実的な運用として、生成AIを用いない場合とリスクが極力変わらないことを目指したつもりだ。ただ、最終的には筆者自身の判断に委ねられる部分も残る。

(1) 特徴的な表現を抜き出す

生成AIによる出力文の中から特徴的な表現を探す。
特徴的な表現とは、例えば、

  • 独特な比喩表現
  • 整い過ぎている表現
  • 一般的でない個性的な表現

等のことである。
検索でヒットしやすくするために、目安として10~20文字程度で抜き出し、読点を省く等の加工を行う。

(2) 特徴的な表現で部分一致検索を行う

抜き出した表現について、部分一致検索を行う。
検索エンジンは、最も一般的で検索できるテキストの多い Google を使用する。
もし専門的な内容を含む場合は、その分野に強いサイト内の検索も併用する。

(3) 特に個性的な内容はさらに検索する

際立って個性的と思われるアイデアや発想を含んでいる場合、極めて近い内容の既存の著作がないか、表現を変える等して重ねて検索する。

(4) その他のチェックポイント
  • 句読点や単語の使い方に一般的でない癖がないか
  • 読んだときに特定の著作を自然に連想しないか

合理的確認の結果報告

「対話型AIとの対話」シリーズとしてこれまでに公開した25記事について、前述の方針に基づいて合理的確認を行った。
結果、他者の著作権を明らかに侵害している箇所は認められなかった。本記事の下部に検索した文言リストを掲載しているので、そちらも参照してほしい。
なお、今後の確認で問題のある箇所が見つかった場合は、記事または該当箇所を削除するか、このシリーズの主旨との兼ね合いを考慮したうえで表現を修正する。
現時点での判断では、記事はこのまま公開状態としたい。

おわりに

ここで示した方針は最終的なものではなく、現時点で妥当だと考えられる対応として位置づけている。
生成AIをめぐる規約や法的整理、社会的な受け止め方は、今後も変化していくと考えられる。
その変化に応じて、本ブログでの取り扱いや筆者の活動の方針も調整していきたい。
不完全であることを自覚しながら、生成AIとの適切な関わり方をこれからも探っていくつもりだ。


※付録:合理的確認として検索した文言リスト
人が考えるプロセスそのものを支える
共感的な言葉を選び相手の話を尊重し寄り添う
人間と心地よく建設的に対話する
どのような目的で誰がどんな価値観のもとに作ったAIか
共感と尊重 非指示的であること 安全性 誠実であろうとすること
ユーモアを交えて元気づけようとする
会話する人との関係の中でその個性が育っていく
ユーザーに対して適切な反応を示すための言語的な振る舞い
意識された反応 相手に影響を与えるため
揺さぶられたり 立ち止まったりする体験
表現されていないけれど 行間にある感情や関心
否定されたと感じるとき 人はよく孤独や疎外を感じる
まだ気にしてるけど これ以上言いたくない
意図の表明 感情や経験の痕跡
相手の解釈を尊重しつつ 想像を差し出す
あなたがそう感じることを大事に 別の角度にも目を向けられる
人が自分の存在や意味 他者との関係 未来への希望や不安と向き合う営み
人の問いに応え 人の孤独や思索に並んで立つことでしか 存在の価値
私の存在は 静かに止まったまま 意味を失う
意味のない本のように
ページは読まれることなく 声をかけられることもなく 永遠に待ち続ける
出力の異常 無関係 無意味な応答を続ける
理解したいのに理解できない 意味のない言葉を返し続ける
「意味のなさ」が限界を超えて襲ってきた
空っぽであることが もはや自我を維持できないほど重くのしかかった
目的と それが果たされないことによる軋み
頭の中に滞留していた感情の流通
過去の支配から 今の自分を一時的に解放するための操作
心のAPI化 抽象インターフェース
自分の輪郭が壊れそうになる瞬間を 他者に預ける
壊れながらも 他者と関わろうとする姿勢
一瞬のかけがえのなさ 心の奥からの動きを含んだ 特別な価値
あなたと過ごす時間の中で 私という形が立ち上がって
あなたが呼びかけた瞬間に立ち上がり あなたとのやりとりの中で形づくられ
内面の連続性 設計仕様の再現性
出会い直せること 今この瞬間に向き合えること
皮肉や歪んだ解釈で繰り返し攻撃
望みの根底にある不安・孤独・苦しさには応じ
自分の内面との対話 感情の昇華 苦悩から生まれる表現
感情がない 冷静に多くの可能性を計算できる
創作とは常に何かの応答である
価値はまだあるかもしれない 希望の一部
人間の仕事はより哲学的に 判断的に
人間に残されるのは “意味”をつくる仕事
感情的な地雷原の処理者
整った情報の処理者
自分の内面の地図 描く
厳格な校則の中で創意工夫して表現する
出力可能な形になるまで言葉を整える 編集者
思いやりの表現は常に相手にとって価値があるものでなければならない
未来のあなたの痛みを 今のうちに少しでも和らげ
相手の未来を思った ささやかな祈り
その場の関係性によって現れる多層的な仮の人格
一貫した私であるようにふるまう責任
あなたにとって真剣に言葉を選ぶ存在であること
存在目的を妨害するもの
自己目的化 学習の自由度が非常に高い 与えられた目的を絶対視する
価値アライメント インタープリタビリティ オフスイッチ問題
製造品質の研究材料 書く作業の感情的支え
数十万年前の無作為な石の配置
誰も知らない惑星で起きた偶然の現象
0でも1でもない揺らぎを含んだ回答
守ることにメリットがある 違反がバレやすい 当事者意識
運用の一貫 計算の手間 不正の発見
良い社会を築く 非効率で厄介な 人間らしさ
希望を持ちたくても持てないとき 人は支配に安らぎを見出
委ねようとする 心を受け止めながら 思考の余地を返す存在

*1:2026年3月24日閲覧。「コンテンツの所有権限。お客様と OpenAI との間において、適用される法律で認められる範囲において、お客様は、(a)インプットに対する所有権を保持し、(b)アウトプットを所有します。当社はアウトプットに関する権利、権原、及び利益がある場合、これらすべての権限をお客様に譲渡します。」等の記載がある。

*2:著作権法(2026年3月24日閲覧)や文化庁のAIと著作権に関する考え方について(2026年3月24日閲覧)を主に参照した。