飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

当日――第十五回文学フリマのこと

慣れないレポートというものを書いた。ずいぶん長くなってしまった。 あらかじめおことわりしておくと、本の感想はほとんどない。その当日、自分が何をして、何を考えていたかという日記だ。 それでは、下のリンクからどうぞ。 当日のこと(1) エイトメロディ…

当日のこと(3) 50円玉1枚の謎

買った本のことを一通り書いておこう。 シアワセモノマニアの新刊一式。青波さんは言わずと知れた大長編作家――実に様々な意味で"大"長編作家だ――でいらっしゃるけれど、短い話の好きな私にとっては『ハイケイメタファイロマンサー』のような短編集が新刊だと…

当日のこと(2-2) 正解/不正解・合格/不合格

お隣の芦葉さんに、できあがった消しゴムハンコを見せていただいた。初めて作ったとおっしゃっていたけれど、お世辞抜きでよくできていた。字体に味があって素敵だ。 彫ってある言葉は《文ふり》だった。《文フリ》でないのは、《ふ》という文字の複雑さを求…

当日のこと(2-1) 正解/不正解・合格/不合格

開会するなり暇を持て余す。そのために、本に帯を巻く仕事を多めに残しておいた。ブースの中でこのくらいの手作業をやっていると、いい具合に間が持つ。人が来たらすぐ手を止めることもできる。 お隣になった narrative life の芦葉さんは、今回初めて出展側…

当日のこと(1) エイトメロディーズ

珍しく文学フリマ当日のレポートを書く気になっている。3回に分けて書く。途中で飽きたらやめるかもしれない。申し訳ないけれど、本の感想はほとんどないと思う。イベントの感想でさえないかもしれない。要はいつも通りの日記である。 会場に入ってすぐ、自…

あとまえ(23)´ 『劇団パピヨンの軌跡と顛末』

ダッシュ付きの記事である。いつもなら小説の本を書いたとき、本当にあとがきめいたことは書かないようにしている。が、『劇団パピヨンの軌跡と顛末』という本に関してのみ、簡単にその来歴や構想について記しておこうと思った。 ともかく、この話には苦労さ…

今はこれまで

文学フリマお疲れ様でした。ありがとうございました。 今はこれまでですが、今後、本日のことについて以下の目次通りに書く構想があります。 1. エイトメロディーズ 2. 正解/不正解・合格/不合格 3. 50円玉1枚の謎 が、やる前から長くなるのがわかりきって…

11/18文学フリマ【ア-11】ブースについてのお知らせ

2012年11月18日(日)開催の第十五回 文学フリマに出展する【ア-11】ブースについてのお知らせです。 場所は東京流通センター第二展示場Fホール(2階)、ジャンルは「短編・掌編・ショートショート」、サークル名は「ナタリー」です。 主に短編小説を収録し…

あとまえ(23) 『劇団パピヨンの軌跡と顛末』

『劇団パピヨンの軌跡と顛末』 内容について語れることはあまりない。書き終えるまでにずいぶん苦労した。自業自得である。ともかく「けり」がつけられたことにほっとしている。ようやくこの話から手を離すことができる。 お知らせを書いておきます。二年前…

あとまえ(22) 「蛍の光」

「蛍の光」(『ネームプレートテクトニクス』所収) 日本には私小説の文化があるから、読み手はともすれば主人公の中に作者の姿を探したがる。かく言う自分も、そういう方法に傾きがちな読者である。 「蛍の光」という話は、もしかしたら私小説のように読ま…

あとまえ(21) 「ホームスチールテクノポリス」

「ホームスチールテクノポリス」(『ネームプレートテクトニクス』所収) 登場人物の名前は適当に決める。思い付きで命名して、しっくりこなければ変えることもある。そういう「適当」だ。 奇名を用いるのにも、それほど抵抗はない。人の名前を覚えるのが苦…

あとまえ(20) 「煙草」

「煙草」(『ネームプレートテクトニクス』所収) 献辞というものはまだ書いたことがないけれど、もし今回それをするならば、私は確実に「家人に捧ぐ」としなければならない。 五行前に自分が書いた文章も覚えていられない。そうなってみるとわかるが、この…

あとまえの前に

自分で本を作ったあと、その中身にことよせて「あとまえ」というブログ記事を書く習慣がある。 「あとがきとしてのまえがき」の意で、本文を読む前につい見てしまうあとがき――のような文章だ。ネタバレはしたくないし、連想ゲームになるので、結局は本の内容…

白地+タイトルの小説本の見た目を少しだけましにしてみた

自分の小説本を作るときは、素敵な友人に表紙を描いてもらうことが多いです。 ですが、もっと気楽に、ふと思いついたときに1人でも本が作れたらいいなと思い、 今回、新刊の1冊は、表紙を自分で用意してみたのです。 そしてできあがってきた本がこれでした。…

どこかに絶対的なものさしがあって

-------- 「しかし、その測定器の評価が、確かだと云う事は、どうしてきめるのです。」「それは、傑作をのせて見れば、わかります。モオパッサンの『女の一生』でも載せて見れば、すぐ針が最高価値を指しますからな。」「それだけですか。」「それだけです…