飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

窓際の電卓


新しい電卓を買ったので、計算の作業がやりやすくなった。

前の電卓だが、壊れているのかどうか微妙なところである。数字が出ないときもあれば、問題なく使えるときもある。
窓のそばに置いて、太陽の光に当ててみたが、やはり動いたり動かなかったりする。万全の状態かは怪しい。

電卓のソーラー電池くらいなら、室内の照明でも働く……と聞いたことがある。
実際の使用感としても、わざわざ太陽の位置を探さなくてもちゃんと使えているな、と思う。
それでも何となく、使いたいときは窓際に持っていくことが多い。

太陽に当たると調子が良くなるなんていうのはまるで人間みたいだ。

ただ、調子の悪いときが少しあるだけでも、電卓という道具はずいぶん不便なものになってしまう。
使用者の使い方が悪かっただけかもしれない。でもごめんな、わたしは機械のことはよくわからないんだ。
冷酷な判断を以ってこれからは新しい電卓を使うこととする。