それから秘密を守ること。
頭の中は自由だ。
そこから何をいつどのような形で表に出すかは、責任を持たないといけないところだから、慎重になる。
複数人で進めるプロジェクトでは、考えが「頭」から「会議」を挟んで「表」に出る。
会議では「いったん自由な発想で、何でも口に出しましょう」と言われることもある。
しかし実際には、会議の場でも、自分の「頭」から出すものは選んでいる。
「会議」では他人と「頭」の一部を共有するが、自分の「頭」ほど親密ではないし信用もできない。
本当に「自由な発想で、何でも」と思うのだったら、せめて秘密は守られないといけない。
どんなにくだらなくてださくてみっともなくても、「頭」の中だけと約束して出したものを、「表」には出さないでほしい。
醜くて愚かな自分が、それでも世の中で何とかやっていこうという、精一杯の小細工が「表現」なのだから。