飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

こたつボトルネック


物置として使っていた部屋を片付けることになったが、困ったのがこたつの扱いだった。
もう壊れているので粗大ごみに出したい。しかし、家の構造の問題で、重たいこたつを回収場所まで持ち出すことが難しい。不可能というほどではないが、人手も労力もかかる大変な仕事になりそうだった。
小さな部屋でこたつが大きな面積を占めているせいか、片付けが手につかない。冬になっても使われないこたつが目の端に引っ掛かったまま、部屋は物置であり続ける。

それから数年の時が流れた。

私は不用品を回収してくれる業者に連絡を取り、こたつをはじめとする粗大ごみを一度に引き取ってもらった。慣れている人達の作業はあっという間に終わった。私は家に他人をあげるのが過剰に苦手だったので、緊張が解けた後は腰が抜け、しばらく壁にもたれていた。
翌日にはもう、その部屋からさらに大袋4つ分のごみが出た。こたつのなくなった部屋はいとも簡単にひらけた床を取り戻した。