飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

かわいいね


顔を見知っている程度の幼い子供から、突然「かわいいね」と言われた。
おそらく、彼女自身が日々周りからかけられている言葉なのだろう。

Twitterでフォローしている人が、例えば何かの試験に合格したとツイートをしていたら、「いいね」を付けることがある。
その人が、試験にどんな思いをかけて、どれだけ努力をしてきたか、あるいはふと受けてたまたま受かったのか。
実のところ、自分はほとんど知らない。
それでも、良いこととして報告しているように見えたので、おめでとうございますとハートマークを押している。
深い意味はない。ただ、喜ばしいという思いは本当だ。だから、皆に紛れて祝福の拍手を送る。

私は「かわいい」と言われるのがあまり好きではない子供だった。
見た目で判断されているような、あなどられているような、何となくいやな気持ちがしたのだ。
今なら、相手に大した意図はなかっただろうと思えるし、どちらかといえば好意的だったのだろうという想像もできる。

だから、「かわいいね」と言われたとき、すぐに「うれしいな」と返した。