飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

同じ空の下、快晴

 ずいぶん前に、「三好達治『雪』のこと」という記事をブログに書きました。この詩についての私の読みを、つらつらと書いたものです。

 さて、大山誠一郎のミステリ小説が好きです。初めて作品を読んだのは、PSPソフト「TRICK×LOGIC」でのことでした。おもしろい以上に肌に合うと感じ、そう、こういうミステリを私は読みたいのだ、と膝を打ったものです。

 さっそく本を求めようとしましたが、あまり多くは世に出ていません。私は、文庫で出ている『アルファベット・パズラーズ』を手に入れた他は、単発の「赤い博物館」を読んだきりになっていました。

 そして今日のことです。たまたま手に取った『本格ミステリ'10』という本に、大山誠一郎「佳也子の屋根に雪ふりつむ」が選ばれていたので、読みました。

 …………。

 人は、似たことを考えるのだな。同じことではないけれど、どこかの誰かが、私と近いことを考え、言っているのだな。

 この同じ空の下で。

 それが私の好きな作家であったことが、嬉しくもあり、また悔しく歯がゆいような思いもあり、話の序盤でしばらく本を伏せて、じっと物思いにふけったのでした。