飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

音楽のスピード


定年退職後にご友人と組んでアンサンブルに挑戦しようと計画している方がいる。
ピアノが相当上手い方なのだが、「最近の曲はどうしてこうも速いのか」と嘆いていらっしゃった。
曲目は「夜に駆ける」であるらしい。

私が子供の頃、狭い見識の中でよく考えていたのは、音楽のパターンというのは既に出尽くしているのではないかということだった。
新しく生まれているように見える音楽は、どれも過去に作られた音を組み合わせているのに過ぎないのではないか。

今、私は特別に音楽の勉強をしていないし、流行にも疎い。
だから単なる感覚的な話だが、確かに10年、20年前に比べて、短い時間にたくさんの音が詰め込まれた音楽が多いような気がする。
そして曲は短い。以前はJ-POPは1曲5分という印象だったが、今は3~4分の曲が多い気がする。

最初から1.2倍速に仕上がるよう曲を作っているようなものなのだろうか。
聴く人間の情報処理力がスピードアップしているのかもしれない。

新しい音楽ができているのかどうかは自分にはよく分からないが、変化だけは確かに感じる。