地域の防犯情報がメールで届くように設定している。
神社の前に不審者が現れ、高齢者は朝に散歩へ出たきり行方をくらました。
やる気になれば、国じゅう、世界じゅうの情報を見ることができる。
幾千幾万の不審者がいた位置を特定して、地図上にピンを立てることもできる。
その地図を壁に張り出して、恐ろしがったり不愉快になったりすることもできる。
できるが、やらない。
距離の問題なのだろうか。
同じ形で届けられる情報でも、はるか遠くで起こったことまで全て我がことのように考えていてはしんどい。
しかし家の裏で起こったことなら、簡潔な文面以上の重さで受け止めたほうがいいかもしれない。
安心したいが、安全でもありたい。
嫌なことは知らずにいたいが、知らなかったせいで危険な目に遭ったら大変だ。
ハッピーエンドは嬉しいことだが、バッドエンドも無視できない。
何よりまだ終わっていないことが山ほどある。