飛び降りていないことの証明

つつがなく世渡りさえこなせれば

誰かがやるのならやってくれるほうがいい

失われるものも得られるものもある。さまざまなイベントが中止されたり小さくなったりしている。 残念な一方で、楽になった部分も確かにある。 おっくうだった行事やその準備がなくなったことで、救われた人もいるのではないか。 自分が子どもだった頃を思い…

時しか解決してくれない

子育てについての問題がなかなか解決に向かわないのは、当事者が問題から卒業していくからではないか、という指摘を聞いたことがある。 なるほど、そういう面もあるのかもしれない。考え方にもよるだろうが、育児の期間は一時期だ。例えば、乳児に関する問題…

終わりのときを近付ける

小説をどこから書くかという話題はときどき出る。最初から。書きたいところから。台詞から。クライマックスから。結末から。私は最初から書き、次に結末を書くが、承と転がいつまでもやってこない。結末をとりあえず書いておくのはいいことだ。結末さえあれ…

望んでもいない贈り物

先日の続きのようになるが、与えたくて与えるというのは楽しいことだし、不安も少ない。一方、得体の知れないものを受け取ることになるもらい手は、困ることだってあるだろう。例えば、親が子を愛する。子のためにできることをしてやり、でも押し付けがまし…

未来の日時を選択する

最近こうしてブログを更新するようにしているのは、私はロボットではありませんということを示すためだ。 ――という話は、以前Twitterでもしたと思う。今は同人誌イベントで通販の注文を受け付けている期間なので、出展者としては、自分が活動していることを…

想像力で舗装した歩きやすい道路

「翼」という表現があるせいだろうか。想像力は広がるものだというイメージを、自分はつい抱きがちだ。しかし、想像力は既に空いている穴を埋めるものでもある。矛盾。筋の通らないこと。でも現実にそうなっている。なぜ? それを腑に落とすための、都合の良…

緑の空気で良かったね

春先は毎年花粉に悩まされている。今年、初めて空気清浄機を1台買った。 自宅の仕事部屋に置いている。 使っている部屋では、目のかゆみがほんの少し落ち着くように感じる。 それでも、全くかゆくないわけではない。空気清浄機は、運転中、緑色のランプが点…

ギブミー、ギブユー。

過去にネットの記事で読んだことのある実験の話だ。うろ覚えなので、実際と違うところもあるだろう。ご容赦を。ある人が、バレンタインデーに繁華街に行き、「チョコください」と書いた箱を持って、1日立っていた。すると、通り掛かる人たちが面白がって、何…

ルールを考える仕事なのか?

ルールを考える ルールを守らせる方法を考える 全員がルールを守らなくても何とかなる方法を考える 子どもの頃は1.のことばかり大事だと考えていたが、実際には2.を無視できないし、3.の良いアイデアがあれば最も状況を改善できるように思えてきた。というよ…

AIにくれてやる

曖昧な表現にせざるを得ないので、ぼんやり読んでほしい。いわゆる「AIに奪われそうな仕事」をすることがある。 自分がこの仕事を失うことは、今すぐにはない気がするが、1年後は分からないな――と思って、3年くらいたっている。 実用化は、されている。使っ…

本に書く。本を折り曲げ、本を切る。

生理的に受け付けないという人がきっといるだろう。だからはじめに注意書きをしておくと、この先、本に書き込みをしたり、本を切ったりする話をします。読書の方法にはいつも悩んでいる。ただ読む瞬間を楽しめばいいじゃないかという思いと、読むからには後…

同人誌の通販休止と直近の頒布予定について(2020年11月)

平素は格別のお引き立てをいただき誠にありがとうございます。弊サークル在庫整理のため、架空ストア様に委託して販売している下記の同人誌につきまして、販売休止とさせていただきますのでお知らせします。販売休止日:2020年11月30日(火)【対象商品】 現…

うかうかセンチメンタルジャーニー

台風19号が通り過ぎた翌週のことである。 Tさんと駅で待ち合わせた。ところが時間が近づいても来ない。 連絡をすると、どうも位置の話が噛み合わない。私の伝え方が悪くて、それぞれ異なる駅で待っていたのだった。来てくれるというので留まった。めでたく落…

互いを知らぬ人たちが同じところを見ていた

私の友人と私の友人がたまたま友人同士であることもある。しかし今回はきっとそうではないだろう、という前提で記事を書く。『飛び降りていないことの証明』の表紙イラストは昧さんにお願いした。 以前に『一羽の鳥が飛行機から飛び降りる』というちょっと似…

全く意味の通らない言葉の連なりではないという保証

小説の巻末にある「解説」が気に食わない、という親しい人がいる。作者本人でもない他人が勝手な「解説」をするのはおかしいと言うのだ。 言っていることは分からなくはない。ただ彼も、好きな作品に関する他人の解釈をインターネットで検索しては、面白がっ…

※開催中止 10/12(土)テキレボ9に出展します 【C-21】ナタリーの家

テキレボ9は台風接近のため残念ながら開催中止となりました。次回開催を楽しみにしております。 【イベント概要】 第9回Text-Revolutions │ 2019/10/12(土)11:00-16:00 │ 都立産業貿易センター台東館 │ 入場無料【サークル概要】 ナタリーの家 │ 純文学 │ …

(創作・掌編)はい、どこにでも行けるドア。

はい、どこにでも行けるドア。 隣の席に初恋の人、草太が座っている。偶然だが、同窓会の場なので相当起こりやすい偶然ではあった。それでも美弥は緊張した。 草太は子供の頃のように、常に話の中心に加わり、皆を賑やかに盛り上げていた。美弥も子供の頃の…

同人誌の販売終了・休止について(2018年7月)

平素は格別のお引き立てをいただき誠にありがとうございます。弊サークル在庫整理のため、架空ストア様に委託して販売している下記の同人誌につきまして、販売終了または休止とさせていただきますのでお知らせします。販売終了・休止日:2018年7月31日(火)…

大きな玉ねぎのカレー

例えば(はじめに言っておくと今夜これに類することは誰からも言われていない)「君の作った今夜のカレーは、玉ねぎの切り方が大きいから、今度からはもっと小さく切ってほしい」と言われたときの気持ちの落とし所。 大きく切った理由は、今日疲れていて小さ…

2017年がもし1週間の修羅場だったら

この記事は 創作 Advent Calendar 2017 に参加しています。 少しでも実用的な内容をお求めの方は、ここをクリック(タップ)して最後の項目からご覧ください。 まばたきしているあいだの世界 どうぶつの森ポケットキャンプというスマホアプリで遊んでいる。…

金色の仏像が泉の中から出てきてあなたに問いかける

小説を書くのがつらくてはらはら涙をこぼしながら泉のほとりを歩いていると、水の中から波紋とともに現れ出たのは、口元に薄い笑みをたたえた金色の仏像だった。仏像はいかなる種類の斧も手にしてはいなかった。 ――あなたよ。 仏像は語りだす。 ――小説を書く…

針を付けろ、バナナを貼れ。第二十五回文学フリマ東京に出展しました

編集が担う役割の一つは作品から不要な部分を削ることなので、私は著者二人がおしゃれなカフェでケーキを頼むシーンをカットした。だっていらないと思うだろう、本の著者がケーキを食べに行ったエピソードなんて。しかし後になってこれを知った人から「その…

『一汁一菜でよいという提案』

「悩む時間が人を育てる」や「若いうちの苦労は買ってでもしろ」は、現に悩んだり苦労したりしている人を励まし、勇気づけ、時になぐさめるための声掛けだったはずなので、逆にこれらの言葉のために悩みや苦労を背負うことになっているとしたら、ちょっと発…

仲間が来た! なんて日だ!

お笑い芸人の人がネタを作っているところ萌え、というのがあると思う。私がそうである。初期の「内村てらす」や「笑×演」でそういうシーンがあると、録画を巻き戻して何度も見てしまった。 さて、「アメトーーク!」の「相方大好き芸人」の回(2017年9月17日…

窮屈な現代の本当らしさとそれを信じるということ

心霊と怪談の違いとはなんだろう。いや、実のところ、それはなんとなく分かる。では、心霊番組と怪談番組の違いとはなんだろう。 本の編集中にたまたま読んだ「“恐怖コンテンツ”の勢力図に異変!? 「怪談番組」がCSなどで重宝されるワケ」という記事が気にな…

悪夢も誰かの夢である

純金の鎖を首からかけた男が、バスタブの中で札束に埋まっている。たくましい腕には一人ずつ、グラマラスな美女をぶら下げている―― 悪夢も誰かの夢である。 3年ほど前に「小説を書くのがつらい。」というアンケートを行った。Twitterで告知して、フォロワー…

我々はキュウリを差し出さないといけない

楽しい夏の夜のことだったので記憶違いもあるかもしれないが、その帰り道、私はぬか漬けとスキレットの話をしたはずだ。 久しぶりの人たちと会った日だった。みんな小説を書くような人だった。その中で「この頃、書けないね」と言い合ったのが私と津和野さん…

新刊ができあがったので本のサイズの話をします

新刊小説集『インドアゲームズ』が完成しました ▲鈍器(クラスの本)が目立つテキレボ界隈では薄めの冊子でしょう。46ページ。 印刷所にお願いしていた新刊が届きました。ざっとページ番号など確認したところでは問題ないようです。予定通り、テキレボに持ち…

インドアゲームズの表紙は本当にかっこいいんだ

表紙イラストを描いてもらいました ▲まずは見てください。もうね、もう、もう。 来週のテキレボ4で頒布する新刊小説集『インドアゲームズ』の表紙です。 友人の昧ちゃんにお願いして描いてもらいました。過去には『投げたボールは戻ってくる』、『安全シール…

とにかく机の広いイベントに出ます

テキレボに出ますがディスプレイが決まっていません 来週10/8(土)は、第4回Text-Revolutions(テキレボ)という、文章系の同人誌即売会にサークル参加します。ブースNo.は【F-09】、サークル名は「ナタリーの家」(ちょっと変えました)。昨年の第2回以来…